国土交通省は、同省の「ドローン(DJI MINI3 1式)他2点の購入」の取引先として、株式会社トータル・サポート・システムを選定した。同省が16日に公表した。取引価格は89,000円を計上している。
【解説】
DJIは中国のドローン製造大手。今回国交省が調達した機種は同社製の市販機とみられ、機種指定でいわば「一本釣り」した形だ。中国ドローンについては、データ管理の安全性への懸念から、米政府が調達・利用を取りやめるなどの動きが見られている。
我が国においても一昨年、「政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針」が制定され、情報漏洩が懸念される機体を調達しない運用ルールが打ち出された。
今回、国交省が中国ドローンを調達した意図は不明であり、単に規制の客体の実態把握などのために、実機を調達した可能性もある。ただし、上述の政府方針に照らして、情報漏洩の恐れがあるドローンを排除できているのか等の観点で、今回の調達は注目を集めそうだ。